2010年2月アーカイブ



柳広司の「ジョーカー・ゲーム」を読んだ。

先日購入した「このミステリーがすごい!2010年度」で、2010年度第2位「ダブル・ジョーカー」の存在を知り、
その前作にあたるこの作品を知ったという次第。

しかし、この「ジョーカー・ゲーム」は、
  • このミステリーがすごい!2009年度の第2位
  • 日本推理作家協会賞受賞
  • 吉川英治文学新人賞受賞
な作品。
すごい。なんで知らなかったんだろう。

内容は、
戦時中で軍国主義真っ盛りの日本で、スパイ養成学校を設立した結城中佐と、その学校を卒業したスパイが活躍する話5編から成る短編集。

スパイミステリーというジャンル・カテゴリーが一般的かは知らないが、とりあえず初めてだったがすんなり楽しめた。
特殊技能を身につけ、精神的にも磨かれまくった上で養成学校から輩出されたスーパーマンなスパイと、さらにその上を行く超スーパーマンな上官結城中佐。
まず、キャラクターに現実味がないんだけど、ロジカルな話の展開に納得させれられるのが絶妙に楽しい。
とりあえず偽名で、容姿に特徴がないスパイ達と、全話に登場するも謎に包まれまくっている結城中佐に愛着がさっぱり湧かないのも、"それだけ隙がないということでもあり、媚びてないようでもあってクール"とか感じた。もしくは感じさせられた。

自分にとって、新しい感じのミステリーとして楽しめた。
読みやすく、格好いいミステリー。
自分は期待していた分若干薄味に感じたが、面白くなかったという人は少ないんじゃないだろうか。

どうやら「ダブル・ジョーカー」は鉄板な気がするので、しばらく楽しみにおいておこうと思う。


東野圭吾の「新参者」を読んだ。

このミステリーがすごい!(2010年版)」で第1位の作品。
去年の暮れに読んだ、綾辻行人の「Another」が第3位で、それを超えるクオリティはどんなものかと気になっていた。近所のブックオフで目が合い、即決、購入。

内容は、
東野作品ではおなじみキャラの加賀刑事が、東京・日本橋に赴任してくる。
地元の住人の身の回りに起こる細かな謎を解きつつ、本流にあたる事件の謎を解くという話。

ちなみに、私が東野圭吾で過去に読んだのは、
  • 白夜行
  • 探偵ガリレオ
  • 予知夢
  • 容疑者Xの献身
の四作。
どうやら、加賀刑事とはお初だったらしい。

いいなぁって思ったのは構成。
9章からなっていて、約350ページほど。だから、一章あたり40ページないくらいになる。
各章に謎があり、都度解決されていくので、まるでシリーズものの短編集を読んでいる気持ちでいると、気づけば物語はクライマックスに。
最後は、加賀刑事の追っていた事件が見事に解決され、長編モノを読んでいたんだなぁと思わされる。
そんな感じで、肩肘張らず楽しめたのも良かった。

「このミステリーがすごい!(2010年版)」の東野圭吾本人のインタビューでは、
「斬新なトリックはなくても、サービス精神は失っていないつもりです」と言っていて、東野圭吾の作品はまさにそれに尽きるのかもなぁって妙に納得できた。
そのインタビューでは、「新参者」がどのように取材しカタチ作られていったも語られていて、思いがけず行き当たりばったり的な手法をとられていて、それもまた興味深かった。

東野圭吾の作品は、
  • 読みやすさ
  • 面白さの安定感・安心感
  • 楽しませてくれるだろうサービス精神
がいい。それが再認識できた作品だったと思う。